言葉と信用とコミュニケーション(前編)

ひとの成長, 人間関係のことコミュニケーション, ノリ, 友達

夜に出会う若者たち(といっても今年はほとんど出会ってないけど・・・)と話をしていると、
「コミュニケーションが滑るなぁ」という感覚によくなります。

お久しぶりになってしまいました、さてさてぐっちです。

あ、すべるってお笑い的な意味じゃないですよ。
話のテーマがつながっていかないという意味です。

ある人に聞きたい話があって、その話に向けて流れをちょっとずつ作っていこうとも、何かの拍子に話が全然違う方向にツルっと滑って飛んで行き、そして一回逃したものはもう二度と戻ってこない。なんてことをしばしば経験しています。

今日はそのことについて話をしてみたいと思います。

コミュニケーションを3つに分けてみる

コミュニケーションといってもいろいろありますが、今日は3つに分けて考えてみましょう。その3つはこんな感じ。

1.最も軽く表面的なコミュニケーション

 内容は全く意味をなさず、その場の空気感に合わせられるかどうか。
 ノリだけのコミュニケーションですね。
 冒頭の滑るようなコミュニケーションも、これに属しますね。

2.世の中で本当によく使われているコミュニケーション

相手にとって納得しやすいストーリーを組み込めるかどうか。
因果関係とか分かりやすいコミュニケーションですね。
 人にものを伝える・教えるとかテレビのCMとかプレゼンとか、分かりやすさ・伝わりやすさを求める人も多いでしょう。

3.深層まですべての情報を盛り込んだコミュニケーション

 知識や事実、背景まですべてを含んで語り合えるかどうか。
 話してる本人でさえもどこまでの深みを理解できているのか分からないようなコミュニケーションですね。
 人の記憶は曖昧なものなので、このコミュニケーションが“完成”されることは多分無く、真理に迫りたい人は深みを探り続けていくことでしょう。

 もちろん1~3まで挙げましたが、どのコミュニケーションが最良とかいうものではありません。どれがいいのかはその場その場、その瞬間その瞬間で変わるものなので、1対1ならまだしも、たくさんに人の中でのコミュニケーションは一層の難しさを持っています。

その場のノリを重視するコミュニケーション

さて、滑るコミュニケーションでしたね。

友達同士の会話で重視されるのは、その場のノリ。テンション。
その一瞬のノリに最上の価値があり、話の流れはあまり関心なし。真面目な話なんてもってのほか。その直前の空気感を受けて、それに合わせてのれるテンションを返すということを繰り返す。

イメージで言うと、LINEのスタンプだけのやり取りを続けるみたいものが近いでしょうか。
来たスタンプに、雰囲気合わせて、盛り上げて返せるスタンプを選んで返す。そのスタンプから出される雰囲気だけでやり取りを続けるようなものです。

こうなると、それまでの流れや文脈などは関係なく、直前の一言に合う言葉を紡げばそれで事足ります。また夜の街で出会う人たちは、その場で「楽しい」「面白い」は大事な指標ですので、ますますノリ重視になっていくわけです。

そして感覚が徐々に普通になっていくと、情報を積み重ねて着実に話を進めるということはかなり意識して分けないとわからなくなっていくでしょう。

ノリのコミュニケーションの弊害

このノリ重視の瞬間コミュニケーションも、そういうものだと認識して、他のコミュニケーションスタイルと区別できる状態であれば、とっても話上手な人になれるかもしれません。

しかし、逆に言うとそうでもしないと自分自身について分からなくなってしまう可能性だって出てきます。「みんなとワイワイ話できるのに、進路とか人生のこととなると全然スムーズに進んでいかないんだけど!もういい!」みたいな具合に。
現実を進めるには、分かりやすいストーリーに自分を乗せて進めるのか、すべての知識や経験がつながったものでじわじわ進めるのかが必要なわけで、瞬間のノリだけで人生が拓いていくことは少ないでしょう。

しかしノリだけでは進めない現実に対して、ノリしか使えない状況でどうにかしようとしてしまうと、いつまでたってもうまくいかず、「私なんて・・・」「どうせ・・・」と自分自身を諦めてしまうことになりかねません。

続きますー!(続きを読む)