高校中退後の就職はどれぐらい不利なのか

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以前、高校中退は、社会経験の量や手本となる先輩の存在が少ないことが、ハンデになるという記事を書きました。前回の「社会性とロールモデルを獲得する機会がないということは中退者本人たちにとってのハンデ」という話とは視点を変えて今回は、進路先(社会)側からの視点で話をしてみたいと思います。

 社会から見た高校中退者は、「学歴や資格もなく、普通に行けるはずの高校を辞めているのだから何か問題(精神的に弱い・素行不良など)があるのではないか」と見られてしまいがちです。私自身は多くの高校中退者や大学生に出会い、その強さも弱さも人それぞれで、その違いが高校中退だからとひとくくりにはできないように思います。高校中退している人でもダメな人はダメで、同じく、学歴積み重ねている人でもダメな人はダメ。ハンデがあったとしても良い人は良いし、学歴がありすぎても1度のつまずきでダメになってしまう人もいます。そうはいっても、社会からの見方は簡単に変わるものではなく、厳しい状況にあるのも事実です。

では、どうすればよいでしょうか。端的に言えば、「学歴」か「資格」を取る、もしくは「普通と変わらない(問題ない)ということを示す」かのどれかができれば、状況はかなり良くなっていくということになります。

・「学歴」「資格」「印象(もしくは行動)」。何か1つ、武器を作ろう。

「高校でも途中で終わってしまっているからどうせ・・・」という、社会から(もしくは自分自身から?)の意識に対して、「そんなことはないよ!」とはっきり言うためには、その根拠を持っておきたいところです。一番わかりやすいのは、「学歴」か「資格」かを得ることです。なので、多くの高校中退者が見るであろうWebサイトには、高卒認定を取りましょう。通信制高校をはじめ各種学校に通いましょう。などとうたわれているのです。

 「学歴」を手に入れる方法は、通信制や定時制などの高校や専修学校などに入りなおす方法と、次に述べる高卒認定を受けて大学や専門学校などに進学する方法に分かれます。いずれにしても、学校に通ってそれぞれが定める要件をクリアする必要があります。学歴を手に入れれば、高校を中退したことを見事に乗り越えている証明ともいえるので、社会からの見られ方も変わるでしょうし、自分自身の自信にもなるでしょう。

しかしもちろんこれには、学費もかかります。成績が優秀など何か秀でたことがあれば奨学金をもらうことも可能ですが、そうでなければ、貸与型の奨学金を受けることになります。これは、将来自分で返さなければならない低利子の借金とほぼ同じです。今も奨学金を返済できない方々の話がたびたびニュースなどをにぎわしています。例えば、大学に通う学部生(昼間部)で52.5%が奨学金を受給する(日本学生支援機構「学生生活調査」(2012))ような時代ですので、奨学金を借りて進学するという方法は一般的と言えますが、返済の必要のない給付型の奨学金や、貸与型でも無利子の奨学金など、よくよく検討して「学歴」を得る方法を考えてみてください。「働きだしたら毎月2万程度は返せる返せる」と軽く考えすぎないことや、できるだけ借りる額を減らすことを真剣に考えることを強くお勧めします。

さて、少し話がそれてしまいましたが、今度は「資格」についてです。今回は記事が長くなりすぎるため、高卒認定についてだけを取り上げたいと思います。

高卒認定について、みなさんはどのぐらい知っていますでしょうか。ややこしくてよくわからない、結構簡単に取れる、取っても中卒と変わらないなどという話をよく耳にします。さて実際はどうなのでしょうか。

まず、1つ言えることは「資格」を取るという意味では意味があります。もちろん、高卒認定を取得した、ということが自分への自信の1つになることももちろんなのですが、例えば、2013年に文部科学省から発表された「高等学校卒業程度認定試験合格者の企業等における扱いに関する調査の結果について」の中では、下のような数字が挙げられています。

(2) 採用試験・人事考課における合格者の取扱い

   「高卒と同等である」
  1. 採用        ・企業   25.9%(前回21.2%)
        ・自治体  44.9%(前回38.3%) 前回より増加
  2. 人事考課 ・企業   21.2%(前回18.1%)
        ・自治体  29.2%(前回25.2%) 前回より増加

 これは、3年前に発表されたものなので、現在はこの数値はもう少し高くなっていることが予想されます。それにしても、この数字についてみなさんはどういう印象を持たれるでしょうか。私自身は、まだまだ少ないという印象を持っていますが、「高校中退=何か問題がある気がする」という感覚が根強いことや、採用基準をいちいち見直しはしない(高卒認定自体が企業にあまり知られていない)であろうことから、このような数値になることも十分理解はできます。また、採用基準をきっちり決めているような社員数が多い企業さんを就職候補から外せば、そもそも学歴を重要視しない会社もたくさんあります。実際の高卒認定からの就職活動を考えた場合、「採用基準をクリアするために高卒認定を取る」というよりも「高卒認定=高校中退の後始末を自分できちんとしました」ということをアピールする材料になるでしょう。

また、進学や資格試験などの受験資格でいえば、高卒認定はほとんど高卒と同じように見なされます。高卒と同等程度の学力が認められているので、試験を受ける前にはじかれるようなことはありません。

高卒認定試験についての具体的な話を広げていくと、まだまだ話が終わらなくなりますので、かいつまんで少しだけ。高卒認定は毎年2回の試験が行われます。合格すべき科目は8~9科目(高校1年が修了している場合は、修得単位に応じて必要な科目2~4程度のみ)で、英語、数学、国語、世界史が必修で、現代社会と科学と人間生活は選択をしたほうがいいでしょう。とすると、残りは2科目で、日本史か地理、そして、理科の基礎科目4科目から1つを選択することになります。個人的には、地理と地学を進めたいところですが、自分にとって取っつきやすい科目でも構わないと思います。合格点の目安は40点で、問題は選択式の4択が基本なので、確率論上でも25点。少し知識をつけて選択肢を絞れたり正解が分かったりする問題があれば、合格するチャンスがぐっと広がります。また、8科目を一度に合格する必要がないので、少しずつでも合格科目を積み上げていけば良いのです。実際、受験生の約9割が1科目以上の合格し、受験生の約4割がその時点の試験で高卒認定を取得できています。

ですので、私はナイトクルージング(夜回り)で出会う人たちにも「塾には来なくていいから、受けるだけ受けてみたら?」と受験を進めるようにしています。受験の願書などは直接会えれば渡せるのですが、各教育委員会などに問い合わせすれば入手方法を教えてくれるはずです。2016年の1回目の試験まで後6カ月。ちょっと頑張ってみるのはいかがでしょう。

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