言葉と信用とコミュニケーション(組織編1)

人間関係のこと, 会社・組織のことコミュニケーション, 組織論, 個性

人のコミュニケーションの話を「言葉と信用とコミュニケーション」と銘打って3回で(前編)(中編)(後編)とお届けしてきました。
その際、個人のコミュニケーションを3層に分けて、特にノリのコミュニケーションの功罪について考えてみました。まだの人はそちらも呼んでみてくださいね。

さてさて、ぐっちです。
今回はそれをお仕事を進める身として見た場合どうなるかを話してみたいと思います。
世の中にはたくさんの組織が、それぞれの想いや考えで動いていますね。
人が2人集まればもう社会であり、組織、と考えると、株式会社やNPO、任意団体、役所、うちのような社団などなどいろんな形の組織があります。そして、このボーダレスな世の中では、あまりその区分けに意味がなくなってきているような気もするわけですが。

コミュニケーションの3分類を組織ではめてみた

さて、お仕事となると、「時間」と「成果」が気になるところですが、各コミュニケーションの特性を考えると、こんな感じで表せるのではないかと思います。

①ノリの組織

一言でいうとそのまま「ノリ」そして「勢い」。
短期的・瞬間的に想定以上の成果を発揮することもある。
ただ、ノリゆえに、盛り下がると、何の成果もなくいつの間にか終わっていることも。
お金の流れもノリで動くことがpolcaをはじめ大衆化してきていて、「秒で」「場面で」「ワンチャン」世の中こっちの方向に流れつつあるか。

②分かりやすい組織

一言でいうと「真面目」そして「説明上手」。
ストーリーを描いてそれに乗せていくため、達成までに設定した時間を必要とする取り組みが多い。
ストーリー通りに想定通りで堅実な結果が出るために、ビジネスの世界では好まれる考え方。
あまりに一般化された考え方なので、今更説明も不要か。

③探求を尽くす組織

一言でいうと「歴史」と「哲学」。
深く思考し、これまでの文献とかを漁って物事を進めていくために、長期的で膨大な時間がかかる取り組みが多い。
進み方もいろんな要素が絡み合い複雑で素人には分かりずらいものも多く地味だが、広くあまねく活動できるように進んでいく。
その反面、しばしば概念上のお話や理想論になりがちなところも。

それぞれの組織の進め方例

①ノリの組織で行われる仕事について

ノリとは勢い。勢いがあればうまく回っていく。盛り上がるし、やり切れればそれが一番楽しいでしょ。途中でおもんなくなったら辞めたり抜けたりすればいいし、そんなこと気にせんでいいやん。失敗すること気にせんと、ノリでたくさん動こうとするほうが大事っしょ。大事なのはノリ。
みたいなスタンスですね。

「こんなアイデアはどう?」
「こんなんあったらむっちゃ良くない?」
「それむっちゃいいやん」
「さいこーやなおれら」
「やってみよーぜー」

うまくいってもノリやし、うまくいかんくてもノリ。
そんときの場面で、秒で続けるかどうか決めるし、盛り上がれるやつだけでいこーぜー。

成功・信用を得るのも、場の結果次第だけど、ノリだから気にしすぎない。という具合でしょうか。

②真面目の組織で行われる仕事について

シミュレーションしてみたけど、こっちのプランやとこれぐらいの結果が想定される。費用対効果はこれぐらいで、リスクもこんな感じ。この戦略で行くと、かなりリスクは軽減できるし、インパクト残したいなら、あれもこれもやると成果も分散しちゃうから、選択と集中でやるほうがいいよね。失敗しないように着実に進めていこう。
みたいなスタンスですね。

「こういうことを目標にするのはどう?」
「〇ヶ月後にその成果を出すにはどうすればいい?」
「全部タスク洗い出してみたからそれをやっていこう」
「×ヶ月ごとに、どこまで進んでいるかを振り返りましょう」
「細かくPDCAサイクル回して、お互いチェックしましょう」

因果関係を明らかにして、説明可能なかたちに持っていく。
スモールステップで成果を喜び、最初に設定したゴールに近づいている様子を確認する。

成功・信用も、計算通りちゃんとできたら積み上がっていくことでしょう。

③歴史の組織で行われる仕事について

今進もうとしていることは、人類の歴史に踏まえて正しいことなんだろうか。これを進めることで影響を受けるのは誰なのか。それは歴史的に見ても最良の一歩と言えることなのか。すべての人が虐げられず適切な保護を受けているのだろうか。人が最も大切にしなければならないこととは何なのか。歴史に学び、議論を尽くして、言葉を尽くして進まなくてはならない。
みたいなスタンスでしょうか。

「その考え方、やり方では救えない人がいる」
「みんなが平等に幸せになる考え方はそうじゃない」
「それは歴史的にはダメだったと実証されている」
「こっちの考え方で社会が動くために声をあげないと」
「もっと理想を追求していくために学ぶごこが重要だ」

人類の幸せを追求して、今の世の中に対して批判的に行動を起こす。
大きな理念で自分を満たし、その考え方の賛同者が増えることで自らを確立していく。

目指す先が大きすぎて成功まではいかないにしても、小さな一歩を踏みしめて進んでいくことで信用は得ていくことでしょう。

今日のまとめ

それぞれにリスクがあり、それに見合ったリターンがある。
それにやる側も受ける側も安心感がプラスされるがゆえ、②が良く使われているということでしょうね。

でも、それぞれの進み方はそれぞれの組織の個性ともいえることなので、好き嫌いは出てくるんだろうなぁと思いつつ。
そういう話はその2に続きます。