※AIは、あくまで一般的な文章を教えてくれますが、個性のある独自の文章は自分で身に付けていくしかありません。文章の基本を知って「こんな感じで大丈夫なのね」という感覚を知るために使ってみてください。そして、その後は「オリジナリティあふれる文章」を大胆にチャレンジしてみてくださいね。
能力を鍛えるには、学習者の意識はとても大事です。
「自分で文章を書けるようになるぞ!」という目標を常に持っていることは必須です。
もう少し欲を言うなら「自分の意見を書けるようになるぞ!」「感想文を書けるようになるぞ!」と具体的にゴールを思い浮かべられるような目標が尚良いでしょう。
ただ、「課題を提出物ができればOK」や「めんどくさいなー」「意味あるんかなー」などと思いながらやってもなかなか身につかないものです。逆に、その状態でやってしまうと、悪い意味で癖がついてしまいますのでむしろやらない方が吉でしょう。
と、前段が長くなってしまいましたが、話を進めていきましょう。
1.テーマを設定する
「どんな文章を書けばいいのか」というのがまず大きな壁になります。
このテーマ設定も、そもそもAIにテーマ自体を決めてもらえばよいです。
例えば、googleの検索バーに「賛否の別れるテーマを10個」などと入れれば、
①死刑制度の存廃
(日本において死刑を存続させるべきか、廃止すべきか)
②選択的夫婦別姓
(婚姻後も夫婦がそれぞれ元の姓を称することを認めるべきか)
③高齢者の運転免許返納の義務化
(一定年齢に達した高齢者の運転免許返納を法律で義務づけるべきか)
④消費税の引き上げ・減税
(社会保障や財政健全化のために増税すべきか、景気刺激や生活支援のために減税・廃止すべきか)
⑤原発(原子力発電)の活用と停止
(エネルギー安定供給と脱炭素のために原発を維持・活用すべきか、安全性やリスクを重視して完全に廃止すべきか)
⑥外国人の受入れ拡大・移民政策
(人手不足解消や多文化共生のために積極的に受け入れるべきか、治安や社会負担への懸念から慎重・制限すべきか)
⑦インターネット投票の導入
(投票率向上や利便性のために国政選挙などでネット投票を導入すべきか、セキュリティや不正のリスクを懸念すべきか)
⑧ペットの生体販売の是非
(動物愛護の観点からペットショップなどでの生体販売を禁止すべきか、流通や飼育機会の観点から容認すべきか)
⑨学歴と経験のどちらが価値があるか
(採用や評価において、学校での学習歴・学歴を重視すべきか、実際の経験やスキルを重視すべきか)
⑩キャッシュレス化の推進
(利便性や効率化のために完全キャッシュレス社会を目指すべきか、災害時への備えやプライバシー、現金しか使えない層への配慮から現金を維持すべきか)
などと出てきますし(このAIによるまとめ・概要は「AIオーバービュー」と言ったりします)、
「社会問題の興味深いテーマを10個」や「時事的に盛り上がっているテーマを10個」などと入れても同様にいろいろ挙げてくれるでしょう。
また、自分の興味や必要に応じて、「経済分野で」とか「医療分野で」など絞れば、よりクリティカルなテーマが設定できるでしょう。
2.「選んだテーマ」✕「現状の自分」を知る
「今日はこのテーマにしよう」と選んだテーマについて、今の自分が「知っていること」「考えたこと」「思ったこと」「感じたこと」を何でも良いので書き出してみます。
書き出すものは、しっかり文章になっていなくても、どんなに短い文でも、何なら単語1つでも大丈夫です。
この先は、前項で上げた10個の1つ目「死刑制度の存廃」を例にして進めていきましょう。
ということで、適当に挙げてみましょう。
・分からん→よく分からない
・むずそう→難しそう
・良いか悪いかとか分からん→良いか悪いかが分からない
・死とかしんどい→死について考えることはしんどい
・しゃーない→どうしようもない犯罪を起こした人には仕方がない
・自分は死刑と関わりない人生を送りたい
・他の国にもあるんかな?
このとき、ポイントが2つあります。
①1つは、できるだけ具体的に書くこと。具体的の基本は英語の「5W1H」です。「いつ」「どこ」「だれ」「何」「なぜ」「どのように・どのくらい」が書かれていると良いです。
②もう1つは、できるだけ話し言葉や方言などは使わず、書き言葉や丁寧語で書くこと。
AIにとって、具体的な指示は何よりも良いものですし、書き言葉を使うことによってノイズが減るので、出力もスムーズになるかと思います。AIが高度になってくると気にしなくて良いかもしれませんが、念には念をという感じで進めましょう。
とはいえ、この「書き言葉」「丁寧語」に直すことが難しいと感じる人もいるかと思います。その場合はそのまま進めてもOKです。なんせ、書き言葉を練習しているのですから。細かいことは気にしないワカチコの精神(ジェネギャによる自重)で進めましょう。
3.選んだテーマの論点をAIに整理してもらう
同じく死刑制度に関して、「死刑制度の存廃についての是非」についてgoogle検索してみましょう。オーバービューには次のようなものが表示されました。
死刑制度の存廃については、応報や犯罪抑止力を重視する「存続論」と、基本的人権や冤罪の取り返しのつなさなどを理由とする「廃止論」の間で、国内外において長年議論が続いています。
存続支持の主な論拠
・応報と正義:凶悪犯罪の重大性に見合う報い(公正な応報)を科すことが、社会正義の実現や法秩序の維持に必要であるという考え。
・犯罪抑止力:重い刑罰が存在することで、潜在的な犯行を思いとどまらせる効果が期待できるという意見。
・被害者感情:被害者や遺族の処罰感情に配慮し、心情的な区切りや社会的な納得を得るために必要であるとする視点。
・世論の傾向:国内の世論調査では、死刑やむなしとする意見が多数を占めている状況があります。
廃止支持の主な論拠
・冤罪の不可逆性:誤判によって無実の人が処刑された場合、命は取り返しがつかないため、国家による究極的な人権侵害になり得るという懸念。
・人道的観点:人間の生きる権利を国家が奪うことは許されず、残虐で非人道的な刑罰であるという批判。
・抑止効果の不確実性:死刑が他の終身刑などと比べて効果的に犯罪を減らすという科学的な証明は確立されていないという指摘。
・国際的潮流:多くの先進国や国際社会が死刑廃止へ向かっており、日本に対しても見直しを求める声が強いこと。
もし難しすぎて内容が分からない場合は、「よく分からないので別の言葉で説明して」「小学生にも分かるような言葉で言い直して」などと指示を出してみてください。
一旦、「よく分からないので別の言葉で説明して」と指示してみましょう。
死刑制度を続けるべきか(存続論)、それともなくすべきか(廃止論)という問題は、「人の命をどう扱うか」をめぐる大きな意見の対立です。
分かりやすく「続けるべき」という意見と「なくすべき」という意見の2つに分けて説明します。
📊 1. 「死刑を続けるべき」という意見(存続論)
犯した罪の重さに合わせるべき、という考え方です。
・同じだけの責任をとるべき:人の命を奪ったような重い犯罪には、自分の命で責任をとるのが公平であるという意見です。
・犯罪を防ぐため:「死刑になるかもしれない」と怖がらせることで、大きな犯罪を思いとどまらせる効果があると考えられています。
・遺族の気持ち:大切な人を奪われた家族の「許せない」という苦しみや、心の区切りをつけるために必要だという視点です。
❌ 2. 「死刑をなくすべき」という意見(廃止論)
絶対に間違えてはならない、という考え方です。
・間違えて処刑したら取り返しがつかない:裁判も人間が行うため、もし「実は無実だった(冤罪)」と後から分かっても、奪った命は二度と戻せません。
・国でも命を奪うべきではない:どんなに悪い人であっても、国家が法律を使って人を殺すのは人道的に許されないという意見です。
・世界の流れ:ヨーロッパを中心に、世界中の多くの国がすでに死刑をやめており、日本もやめるべきだという指摘があります。
という具合に少し易しい文章にしてくれます。
4.ここまでのもので、自分なりに文章にしてみる(可能な人のみ)
「文章にしてみる」というと非常に難しいかもしれません。なので、これは可能な人のみのチャレンジステージです。
・できそうであれば、この文章を読んでみて自分で思ったこと、考えたこと、感じたことなどなどを文章にしてみてください。2文でも3文でも、長さや文字数は少なくても大丈夫です。自分の頭を言葉にして、文章にしてみようとすることが大事です。
・できなさそうであれば、AIが生成した文章を読んで、同じように頭に浮かんだことを「単語」や「フレーズ」にしてみましょう(2の手順と同じです)。単語でもフレーズでも、自分の中から出てきたものを言葉に落とすことは大事です。それがゆっくり文章にしていくことに繋がっていきます。
もし、長い文章にできる人であればそれはもうゴールに近いというか、半分ゴールテープが切れてるようなものです。それだけにこの4は難しいステージですので、ここはできる人だけで大丈夫です。難しいと感じたなら、次の5に進んでください。
5.自分の考えをAIに投げてみる
自分の考えの断片は「2」や「4」で書いたものがあります。これを含めた文章の作成を指示すれば、自分の意見が含まれた文章が作られることになります。
そのために「これらを踏まえて〇〇字でまとめて」などの指示を出せば文章は簡単に生成されます。
今回私は以下のような指示を出してみました。
「・よく分からない
・難しそう
・良いか悪いかが分からない
・死について考えることはしんどい
・どうしようもない犯罪を起こした人には仕方がない
・自分は死刑と関わりない人生を送りたい
・他の国にもあるんかな?
と思ったので、400字の文章でまとめて」
その結果、出力されたのがこちらです。
(もちろん、もう少し長く800字で!とか、端的に200字で!とか良い感じの字数を指定してみるのもOKです)
死刑制度は命を扱うため「難しそう」「しんどい」と感じて当然のテーマです。「関わりたくない」と思うのも自然なことです。
ニュースで凶悪な事件を見ると、「どうしようもない犯罪を起こした人には仕方がない」と感じるかもしれません。これは被害者の無念に寄り添い、社会の正義を守るための自然な感覚です。しかし、もし裁判で間違えて無実の人を死刑にしたら命は戻りません。そのため「良いか悪いか分からない」と悩む人が多くいます。
「他の国にもあるのかな?」という点ですが、世界では約7割の国が死刑を廃止しています。特にヨーロッパなどでは禁止されており、現在も続けているのは日本やアメリカの一部、中国など限られた国々です。
すぐに答えを出す必要はありません。「世界には色々な考え方があるんだな」と知ることから始めてみませんか。(計376字)
6.出力されたものを読み返しながら修正する
さて、前に出力された376字はどうでしょうか。自分の考えをしっかり伝わっているでしょうか。これを自分の言葉や、自分が理解できる単語などに直しながら修正していくのがこの段階です。
私はこれを読んだ時に、「AIが私に対してアドバイスや提案をしている文章」のように感じました(特に最後の「知ることから始めてみませんか。」というフレーズが端的に表していると思います)。また、私が指示した箇条書きのポイントを1つ1つコメントを添えてくれている感じで1つの文章という感じがしませんでした。
私は「自分の考えを文章で書けるようにしたい」という考えでしたので、「AIの考えを私に伝える文章」を求めているわけではありません。
そうなると、ここからするのは次の2つの方向が考えられます。
(1)出力されたものを、自分の目線で書かれた文章のように修正していく。
(2)感想文っぽく再出力してから、修正を始める。
(1)の場合
「死刑制度は人の命を扱うため「難しそう」「しんどい」と感じてしまいます。「関わりたくない」とさえ思ってしまうぐらいです。それは死刑のことをよく分かっていないからかもしれません。
ニュースで凶悪な事件を見ると「どうしようもない犯罪を起こした人には死刑も仕方がない」と感じることがあります。被害者の無念を晴らすためや、社会の正義を守るための1つの方法だと思います。しかし、もし裁判で間違えて無実の人を死刑にしたら命は戻らないため慎重になる必要があるとも思います。どっちも正しいと思ってしまいます。
世界に目を向けると約7割の国が死刑を廃止しているそうです。特にヨーロッパなどでは禁止されており、現在も続けているのは日本やアメリカの一部、中国など限られた国々です。
私にはすぐ答えを出すことはできませんが、「色々な考え方がある」と知ることから始めていきたいと思います。(計381字)
(2)の場合
AIへの指示の最後「400字の文章でまとめて」を、「私自身の感想文として400字の文章でまとめて」に変更して再出力しました。
死刑制度について考えるのは、私にとって「難しそう」で「よく分からない」テーマだ。命の重さに直面するため、正直に言って「死について考えることはしんどい」し、できることなら「自分は死刑と関わりない人生を送りたい」というのが本音である。
しかし、ニュースなどで凶悪な事件を目にすると、「どうしようもない犯罪を起こした人には仕方がない」と感じるのも事実だ。それほどの罪に対する罰は必要だと思う。その一方で、もし間違えて無実の人を処刑してしまったら取り返しがつかないという話を聞くと、何が正しいのか「良いか悪いかが分からない」と深く悩んでしまう。
ふと、「他の国にもあるんかな?」と疑問に思ったが、調べてみると世界では約7割の国が死刑を廃止しているらしい。白黒つけるのは本当に難しいけれど、まずは世界に色々な考え方があるのだと知ることから始めたい。(計393字)
でこれを読んで修正したり、意見を追加したりして文章を作っていきます。
(今回の場合、特に必要なさそうなのでここで止めておきます)
この「出力されたものを修正する」では、2つのやり方を示しましたが、どちらの方が自分の文章力の向上に役に立つか、は明らかですね。(1)の方です。
AIへの指示(プロンプト)の精度を上げて、自分の意見を上手く、早く書かせることが必要な場面もあるでしょうが、初めに言ったように「何のための何をしているのか」を意識することはとても重要なことです。
また、今回はこの記事を書くために2つの文章が仕上がってきましたので、それら2つを見比べてみることも文章力アップに一役買ってくれそうです。ぜひ読み比べてみてください。
7.完成した6の文章と2や4で出てきた文の違いを味わう(重要)
文章力を高めるという観点であれば、ここが一番重要な部分です。
言葉選びの違い、文章の構成の違い、それらを読みながら分析していきます。
「自分で文章が書けなかったのは、どこが分かっていなかったからなのか」、
「それを自分でうまくいかせるにはどうすればいいのか」、などなど。
読みながら色んな疑問を浮かべては、解消していく流れが必要です。
その頭を悩ませる回数や深さが、あなたの文章力を高めてくれるでしょう。
とはいえ、文章を書くのが苦手な人が、1人でこの苦手なものに立ち向かうのは難しいので、そこが一番の問題だったりもします。併走してくれる人とか見守ってくれる人とかがいると良いですが、それもまた難しい望みではあります。
このように生成AIの登場で、またタブレットが各児童生徒に配布されている状況で、
「学ぼうと思えば学べる」環境がほとんどの人に訪れたように見えています。
この状況・環境下では「できないのは、やらなかった自分のせい」、もう少し言うと「できないのは、やればできる道具はあったのに、やらなかった自分のせい」とされてしまうかもしれません。
ここは、これから非常に難しくなってくる部分だと思いますが、それは社会全体の問題。
これを読んでいる人は、自分の文章力を上げるために、この「1~7」を回してみてください。
毎日それをあげる用のSNSとかを作ってみるとかも、やる気アップの微力になるかもしれません。