英会話のすすめ 上 (講談社現代新書 39) | 田崎 清忠【第4回-教養】

教養(講談社現代新書)

番号は40番だったんだけど、上下巻だったので上から読むことにしました。

1965年の英会話。
今とどれぐらい違っているものなのかも興味ありつつ。

読みやすい構成

1つのフレーズについて、見開き2ページで解説。
最初に場面のイメージを沸かせるためのイラスト入り。
一番最後に読んでたら絶対分かるような問題と
前の項の問題の答え。

昭和の本にしては気が利いている。
もちろん、皆まで言わない系のところもあるんだけど。
それでもなかなか読みやすい。

フレーズも「このフレーズは便利だから暗記しときなさい」という感じではなく、
2ページ分、あれこれ情報を伝えてくれているので、感覚的な理解は進む。
(文法的な理解はないので、ある程度文法の知識があった方が捗りそう)

日本的なもの、英語的なもの

別れの挨拶

「Goodbye(God be with you.の略)」神とともにあるように。
勝手に「良い感じになるように(Be good)」的な意味だと思ってたけど全然違ったw

「さようなら」。左様ならば=そのようであるなら=どうしても別れなければならないならば・・・という感じらしい。

英語「Goodby」には日本語の「さようなら」のような美しさはないという感じで書かれていましたが、英語は英語で相手の幸福?神の祝福を祈る感じは、キリスト教文化としてはそれはそれで良いなと思うのだけども。

もう一つ、
「I must be going.」私は行かなければならない。
という別れの挨拶も英語で使えると紹介されていたけど、これの方は色気も何もない気がする。
同じような感じで取り上げられていた「断る表現」も↓

断りの表現

・日本人は、「~しないといけないので・・・」的な断りが多いけど、
・英語のように「I have another appointment.(他の予定がありますので・・・)」で断る方がいいのでは?と。

この「~しないといけないので、すみません」の方が、前の「I must be going.」の断り方だと思うのだが。

関係性と状況によりけりで、どれもそうだと言われている成り立ちと、推測で考えられる

日本的表現として取り上げられること関連

日本は、謙譲の美徳というか、能ある鷹は爪を隠す的なムーブが多い。
例えば、自分の妻を紹介するときに「愚妻」と紹介したり、お土産を「つまらないもの」と渡したり。
こういうのは、英語では伝わらないどころか、嫌な顔をされるよと。

日本語表現による機微の伝達の美しさは大事にしたいところだなぁと。
※と言いつつ、最近の政治家とかはデータの角度を加工して正しく伝わらないようにしている醜さばかり目立ちますが。

月がきれいですね

日本的 I love you.と言われる「月がきれいですね」
今回の本では「Nice day,isn’t it.(いい日ですね)」の対として紹介されている。
個人的には、「月がきれいですね=I love you.」の方がしっくりくるなー。

武士道精神としては感情表出は恥

全てを簡単に露わにしないことが良いと。
相手との見えない情報のやり取りにはロマンを感じる。

その他にも、
A「実は○○なんですよー」という話しかけに
知ってても「そうなんですねー!」と話を返すのが良い
「それは知ってますよ」は情報としては正しいが、人としてはイマイチ。とかも。

日本語は我慢強く奥深い超ハイスペックな言語なので、
裏にある機微をやりとりできるだけの使いこなし方ができる人が減っているというのは、
超ハイスペックPCを手に入れてもその能力を全然使いこなせないようなもので非常にもったいないなぁと。

古い表現?新しい表現?

自己紹介

「I’m Yamada.」「My name is Yamada.」
この本では、「I’m Yamada.」では「わたしこそが山田だ」という感じなので
「My name is Yamada.」のほうがいいという話だけど、
私が習ったときは、「My name is Yamada.」は古臭いので、「I’m Yamada.」の方がさらっとスマートだという感じだった。
自己紹介1つも時代の流れでゆらゆら流行があるみたい。

ドンマイ

「ドンマイ」は「Don’t mind」の略だけど、英語では使わないので同じ意味で使うなら「Never mind」と使いましょう。みたいなことを習った気がする。

みたいなド定番の英語表現も載っていてほっこりできる1冊でした。

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