「語」と「詞」の違い

語学を勉強する上で、
主語、動詞、目的語、補語あたりが分かっていると
初めの学習難易度が少し下がります。
が、そこを初学の段階で丁寧に考えたことのある人はどれだけいるでしょうか。

どちらも「ことば」を意味することには違いないようですが、
この主語の「語」と、動詞の「詞」の言葉の違いを考えていきましょう。

「語」が付くことば

主語・目的語・補語の他に、修飾語、接続語なんかは英語を学んでいても使いますし、
述語なんかは日本語を勉強するときに出てきたんではないでしょうか。

「詞」が付くことば

さっき出てきた動詞の他に、
名詞、形容詞、副詞あたりは英語を学ぶうえでもよく出てきますし、
日本語には形容動詞や助詞など11種の品詞があります。
そして、英語を学んでいると動名詞とか不定詞、分詞、関係詞なんかが出てきます。

そして、接続詞という品詞もあるのですが、
これは接続「語」として出てくるときもあります。

「語」と「詞」の違い

では、そろそろ本題に入っていきましょう。
主語・目的語・補語・修飾語・接続語などに付く「語」と、
名詞・動詞・形容詞・副詞・接続詞などに付く「詞」とは
どういう意味の違いがあるのでしょうか。

「語」も言葉という意味だし、「詞」も言葉という意味ではありますが、
もう少し詳しく、辞書的な意味だと次のような説明になっています。

「語」:①かたる。話をする。ものがたる。「語調」「私語」 ②ご。ことば。また、言葉づかい。「語学」「国語」 ③つげる。伝える。
「詞」:①ことば。また、文章。詩歌。「詞藻」 ②日本文法で、単独で文節を構成することのできる語。「動詞」「名詞」 [対]辞
(漢字ペディアより引用)

ということなんですが、これではピンとこないですね。
もちろんいろんな説明のされ方があると思いますが、
ぐっち的に言語学習を念頭に置いた違いをお伝えいたします。

ぐっち的「語」と「詞」の違いはこんな感じです。

  • 「語」:ことばの役割
  • 「詞」:ことばの性質

と、当然これだけでもピンとこないと思いますので、
「彼はギターを弾く」の文章で具体的に考えてみましょう。

「彼はギターを弾く」を分析する

この文章の
主語は「彼は」ですが、この「彼」は名詞(代名詞)で「は」は助詞です。
(主語は、その文章のメインとなる名詞のこと)

述語は「弾く」ですが、これは動詞でもあります。
(述語は、主語の行動とか状態とかを示す言葉のこと。日本語では使うが英語では使わない)

そして「ギター」が目的語であり、名詞です。
この「を」を目的語に付けるのか述語に付けるのかは難しいところですが、助詞ではあります。
(目的語は、主語が行う動作の直接の対象のこと。これの説明は難しいので別記事でもまとめています。)

ということで、この文章を、

①文章の役割で分析した場合

「彼は:主語」「ギター:目的語」「弾く:述語」

②言葉の性質で分析した場合

「彼:名詞」「は:助詞」「ギター:名詞」「を:助詞」「弾く:動詞」
となります。

このように、「詞」と「語」では説明しているものが違うので、見方が変われば同じ単語でも「○○詞」にもなるし、「××語」にもなります。

ということで、単語1語の性質を説明するのが「○○詞」、
その単語が1語もしくは複数集まって「××語」になり文章中で何らかの役割を負う。
ということになります。

この役割を担う「○○語」も、文章自体がさらに複雑になれば、いろいろな種類が出てくるのですが、
そうなるとまた難しくなるので、それはまたの機会にいたしましょう。

英語の勉強に活かす

英語は、主語と動詞のセットをまずは意識することが大事で、
その動詞によってその後に目的語や補語が続いていきます。
日本語は主語と述語のセットを意識して文章を見る(そして主語は結構省略される言語な)ので、
「動詞」と「述語」の違いが別れば、少し英語を勉強する上での混乱が軽減されるかもしれません。

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