「ことば」第1回:「人に何かを伝える」を考える
今日は「人に何かを伝える」ということを考えたいと思います。
人は何かを伝えたいと思っていろんな表現をします
人に何かを伝える方法について
日常的にいろんな方法を使って人は人に何かを伝えています。
・話し言葉として
・文字(書き言葉)として
・絵として
・動画として
「百聞は一見に如かず」というので、絵として、動画として、目で見てる形で伝えるのがより伝わりやすいと思うのですが、伝える技術的、容量的な部分で、今の社会では文字としての「ことば」がまだまだ大きなウェイトで使われています。
もちろんこれから先の未来では「映像・イメージ」の技術がどんどん進んでいくかもしれませんが、文字⇒静止画⇒動画の順に作る手間はものすごく高くなっていくので、文字で伝えてよいものは文字のままで残ることは間違いないと思います。
なので、思い浮かべた「イメージ」を相手に伝えることは重要になるのですが、頭の中でイメージを「絵として」頭に浮かべたとして、それを伝えるのに文字は必要です。そして「文字として」伝える方法は2つあって1つは「書き言葉」、もう一つは「話し言葉」。
もしかしたら文章で表現するのは苦手?でも「お話として」なら伝えられるという人も多いんじゃないかと思います。(もちろんLINEやメールなどもかなり定着しているので文字の方が楽という人も増えてきているとは思いますが)
なぜ多くな人は文章では苦手で、話し言葉なら行けるのか
・1つは慣れ。これまでの人生を考えると書くより話す方が圧倒的に機会は多かったはず。なので、慣れてる話し言葉のハードルは低い。
・そして、もう1つは、話して伝えるならその場その場で言葉を補うなど修正が可能なこと。
もちろんお話はたくさんの言葉を使うので「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」的な事もありますが、相手の反応見ながら言葉を適切に補うこともできるし、分かってもらえた感覚とかも話しながら共有することにもなるので、それならいけるということになるのかもしれません。
それぞれに頭の構造は違っているので得意不得意はあると思いますが、慣れで進められる部分もある程度あると思います。それはそれでもちろんOKですが、慣れてない部分、今まで使ってなくてつながってない頭の回路をつなげる作業は、野山に山道を整備していく作業に似ているので、日常的に苦労をしながら少しずつ進めていくしかないと思いますが、思考回路の開拓をクセや習慣にしながら取り組んでいければと思いますし、そのきっかけにもなっていきたいと思います。
ということで、いろいろ話しましたが、いくら動画の時代になってきたからと言って、やはり文字は重要で、さらに勉強や試験の部分では「話し言葉」ではなくて「書き言葉」にも慣れていくことが重要です。
伝えやすいもの・伝えにくいもの
また、文字にしやすいもの、しにくいものもあるかと思います。
例えば、
①目に見えるもの
②目に見えないもの
③変化していくもの
④情報が多すぎるもの
順番に慣れていくのがいいかと思いますが、この「ことば」の講義では、①・②・④あたりを触れていければと思っています。③の変化は、ストーリーなので1文では難しいので、触れられないと思います。
「ことば」では1文をしっかりと。複数の文章は「国語」の講義でできる限りやっていきます。
※ 読める書けるなど文字による情報のやり取りを念頭に進めていきますが、どうしても読解が無理、の人は高認を攻め落とすという意味だけに特化するならまた別の攻め方(漢字・古典など暗記に特化するなど:秘密)がありますが、それはより個別のはなしになるので人によって全然違うものなので、全体では取り扱いません。
(そういう場合は個別学習塾:TOB塾へどうぞ!)
ということで本日は導入の導入で、「文字から絵を浮かべる」を少し考えてみたいと思います。
(1)「文字から絵を浮かべる」
・ 私は物を受け取りました
この文章からどんなイメージが浮かんだでしょうか?きっと、思い浮かべたイメージは人によって細部は全然異なるはずです。
どういう点が違いそうかというと、例えば荷物の形や大きさ、受け取った場所、受け取り方(直接とか置き配とか)、誰から受け取ったのかなどなど。そもそも人の頭の構造や経験は一人として同じじゃないので、思い浮かべたイメージが人によって違ってて当然。
でも、伝えたいことがあるから話しているということであれば、その伝えたいイメージを一致させるためにはどうすればいいのでしょうか?
もちろん細かな情報を全部言葉するというのも正解でしょうが、そんな人は多分いない。というかその1シーンだけですべての情報を語ろうと思うと何ページにもわたるほどの文章を書かないといけないくなるし、5分10分そのシーンについて語らせることになる。
そんな話は誰も聞かないし、その能力は何のためにもならない(芸人のロングツッコミ選手権とかには使えるかもしれないけど・・・)
なので、基本的には、「誰が」「どうした」を基本として、その話の流れに必要な情報や相手に伝えたい情報だけを選んで言葉にするのが普通です。たぶんみなさんも無意識に立っていることだと思います。
そして、この「私が相手に伝えたいこと」を「相手が受け取れない、受け取らな」かったらどうなるかというと、そのコミュニケーションの場はとても居心地が悪いものになっていくことでしょう。が、その話はややこしくなるので、今は「私」が伝えたい、という部分だけに焦点を当てたいと思います。
ということで、話を戻して、「私は物を受け取りました」に情報を1つだけ変えてみます。
・ 私は荷物を受け取りました。
どうでしょう、かなり受け取るイメージは変わったんじゃないでしょうか?
そこにさらにもう1つことばを加えてみます。
・ 私は玄関先で荷物を受け取りました。
そうなると、一番初めに思い浮かべてたイメージからガラッと変わった人もいるでしょう。そして、いろんな人が思い浮かべたイメージはかなり近づいていくと思います。
こうやってそれぞれがもつイメージの違い(齟齬)を小さくするためにその時伝えるべき必要な言葉を選んで補っていくことが大事なんです。
例えば
・ ついに私は荷物を受け取りました。
とかだと、私がその荷物にどれだけの期待をしていたのか、とか、どんな貴重な荷物なのかなどのイメージまで伝わってきますね。
「物」が「荷物」と変わっただけでイメージが違うというように、言葉1つ1つには印象が付きまといます(ことばの手垢と言ったりします)。この辺も面白さというかややこしさというか、ですが。
ちなみに、絵にするとこんな感じ。
これを見てしまうとそれぞれが思い浮かべるイメージはかなり近づくと思います。というかもう一致してしまうかもしれません。絵の情報量はそれほどは多いものなのです。
というような感じで勉強の一番の素地として「ことば」を学んでいければと思っています。ちなみに、この「ことば」の授業では、単文しか扱わない上に、話の流れもなにも無いので、ひとりひとりが思い浮かべたものが正解なので、あまり答えを求めて縮こまる必要はないので、そのあたりは気軽に取り組んでいきましょう。
次回も同じ絵を使ってもう一つことばについて理解を深める時間を持てればと思います。おやすみなさいー!
(サムネにはfirefly(adobe)を使用しています)