文字式克服法

計算に文字とかついてきたらよく分からないことになっている人もいるのではないでしょうか。

「足し算引き算は数字だけを計算する」
とか
「掛け算割り算は文字も重ねたり消したりできる」
とか。

1つ1つのルールは分かるような分からないような感じだと思いますが、
これが計算の中でごちゃ混ぜに入ってくると、混乱して分からなくなることもあるあるです。
そんなこんなをひっくるめて「文字式」として考え始めると難しさが増してしまいます。

でも、実はこの「文字式」と同じような計算はすでに小学校でもやっているんです。

小学生でやる文字式のようなもの

身近な文字式の掛け算

突然ですが、
長さ10mの線があります。
(長さの絵:縦の棒を思い浮かべてください)

この10mの長さが20m分並んでいると・・・
(長方形の絵:縦の棒が20m分横に並べていくイメージです)

この広さを計算すると、
  10m✕20m=200㎡

この計算をよく見ると、
  数字の部分は:10×20=200
  単位の部分は;m×m=㎡(mの2乗)
これを合わせて200㎡と言うことになります。

さらに、この200㎡の板が5m分積みあがると・・・
(四角柱の絵:長方形の板を5m分積み上げていくイメージです)

これを計算すると
  200㎡✕5m=1000㎥

これも同じく、
  数字の部分:200×5=1000
  単位の部分:㎡✕m=㎥

みはじ?きはじ?

「単位も計算できる」が理解できると、
小学校で習うあのよく分からない呪文(「みはじ」「きはじ」)も必要ありません。

ちなみに・・・
「みはじ」は「道のり」「速さ」「時間」の頭文字。
「きはじ」は「距離」「速さ」「時間」の頭文字。

どっちも同じで、「道のり・距離」「速さ」「時間」の関係を図示したものです。
(「きはじ」の図は、円にT字を書いて文字をいれているようなものです。気になったら画像検索してみてください。)

距離は長さなので、テーマによって「㎜」「㎝」「m」「㎞」などスケールが変わりますし、
時間も「秒:s」「分:m」「時間:h」などがあります。

速さは、距離と時間によって単位も変わってきます(1時間で進める距離㎞だと「時速=㎞/h」など)。
※ちなみにこの「km/h」は分数を横に表記したもので「h分の㎞」→「㎞をhで割ったもの」になります。

このように、掛け算割り算の場合、単位(文字)が違ってもその文字同士で計算を進めていきます。

例題:この280mのミニ四駆コースを35秒で完走しました。このマシンの速さは?

(解き方)
問題文から、280mと35sが分かっています。
求めたいものは速度(m/s)なので、分かっている280mと35sをそれに合わせて配置すればOK。
ということで、分子にm、分母にsを持っていって(280m/35s)、数字は数字で計算すればよい(280/35=280÷35=8m/s)ということになります。

※ちなみに、ミニ四駆とかマシンとかいろいろ言葉が出てきますが、数学の問題で大事なのは数字なので、抽象的なイメージを広げつつ数字だけは注目し続けてください。むしろ、出てきた数字は全て使うと思っておいて良いぐらいです。

身近な文字式の足し算

例1:3辺が40cm、20cm、10cmの荷物の3辺の合計は?
答え:40cm+20cm+10cm=70cm
のように、同じ単位(文字)のもの同士は計算できますが、単位は変わりません。
 cf.)掛け算は単位も変わりました。

例2:3辺が1m、50cm、30cmの荷物の3辺の合計は?
答え:1m+50cm+30cm=1m+80cm
cmはcmで計算できましたが、1mは単位(文字)が違うためにそのまま足せません。
この場合、1m=100cmを知っていれば、変換してから計算します。
1m+50cm+30cm=100cm+50cm+30cm=180cm

これと同じように、
長さ100cmと重さ50gは足せません。
100cm+50g=100cm+50g。

お水1Lとお金500円は足せません。
1L+500円=1L+500円。

文字式も基本は同じ

文字式の掛け算割り算

例1:3a×4a=12a^2
例2:3a×4b=12ab
例3:3a÷4b=3a/4b

文字式の足し算引き算

例1:3a+4a=7a
例2:3a+4b=3a+4b

物理だろうが、化学だろうが・・・

考え方の基本は同じ。
ただ、べらぼうにややこしいため、数学の文字式で慣れておく必要がありますので、
少しずつ鍛錬を積んでいきましょう。

物理の単位の例

・速度:m/s
 距離を時間で割ったもの

・加速度:m/s^2
 速度を時間で割ったもの

・力:N=kg m/s^2
 加速度に重さを掛けたもの

などなど。

化学の単位の例

・密度:g/㎤
 重さを体積で割ったもの

・モル濃度:mol/L
 物質量を容積で割ったもの

などなど。

もちろん、ここまでややこしくなっていくと、暗記したり慣れたりする必要も出てくるかもしれませんが、
原理原則はここで書いたことと変わらないものなので、落ち着いてチャレンジして行ってください。

文字が出てきてつまづいてしまう人は実は多いですので、少しでも役に立てればうれしいです。

※(参考動画:文字式は怖くない)少し昔の動画ですが、こちらでも同じような話をしています。ご参考まで。

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